実業家や業界人といったハイスペック男性をつかまえるべく、夜な夜なキラキラした飲み会を開く「港区女子」が話題になっている。男性たちは、高級な食事やプレゼントを駆使して、女性を口説き落とそうとする。現役の港区女子で、「月間100人」の合コン経験を通じて多くの男性を見てきたコラムニストの吉川リサコ氏が、港区女子がハイスペ男性と「もう会わない」と決める瞬間について解説する。
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その日私は、ザ・リッツ・カールトンの大きな部屋から東京タワーを見ていた。赤くライトが灯されて、いつ見てもドキドキする東京のシンボル。そして、東京タワーからほのかに届くライトに照らされてなのか、単にのぼせ上がって紅潮しているのか、赤ら顔でこちらを見つめていたのは、好きでもなければタイプでもない男だった。
こんなはずではなかったのだ。
しかし、断れなかった。当時私は学生で、2週間前に業界人との飲み会をした時に泥酔してしまい、その時ご丁寧に家の前まで送ってくれたプロデューサーをしているらしいテレビ局員と連絡先を交換した。
「遅いのにわざわざ家まですみません」という私に、「大丈夫、睡眠時間が人生で一番の無駄だから。しかもこんなに酔っていたら、ちゃんと帰れたか心配してるより家の前に送った方が早いから」
とても紳士であった。お礼をしなくてはと思っていた矢先、食事の誘いで会うことになった。
場所は東京ミッドタウン。待ち合わせまでハッキリ顔を思い出せないくらい酔っていたが、なんとなく山田孝之を太らせた感じ?と思い出しながら、予約名を伝えると、山田孝之を太らせ、さらにずんぐりむっくりにしたような男が座っていた。