“眠らない街”として知られる歓楽街、新宿・歌舞伎町。いまや歌舞伎町は日本人だけでなく訪日外国人も溢れかえるナイトスポットになっているが、尽きないインバウンド需要を見込んでホテルの進出が盛んになっている。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が、変わりゆく歌舞伎町のホテル事情をレポートする。
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激増する訪日外国人客の消費喚起として、いま「ナイトタイムエコノミー」が注目されている。ナイトタイムエコノミーは「夜遊び経済」といわれる。訪日外国人客数が増加の一途を辿る中、消費額の伸びが伴っていないとされ、外国人観光客の夜間消費を増やすことで経済の活性化につなげようとする施策だ。
外国人観光客には「終電が早く夜の観光が楽しめない」といった不満の声は多く、夜の娯楽へのニーズは相当高いとされる。
夜のコンサートや観劇、スポーツ観戦などはすでに高い人気だ。外国人観光客の動向がモノ消費からコト消費といわれる中、2016年の風営法改正、2017年4月の時間市場(ナイトタイムエコノミー)創出推進議員連盟の設立など、目下、観光施策の柱として注目されている。
ホテルもナイトタイムエコノミーに着目している。増加する宿泊主体型ホテル(ビジネスホテル)にとっても、ナイトタイムエコノミーは魅力的に映るようだ。
多彩な施設・サービスを提供できるフルサービス型ホテルと比較し、限定的なサービス提供が特徴の“寝るだけのホテル”にとって、宿泊客に夜の街を丸ごと楽しんでもらえるのは好都合だろう。街がホテルの価値をアップさせることにも繋がりそうだ。
最近、ホテル業界ではライフスタイルホテルというワードが認知されはじめている。一言でいうと、暮らすように過ごすホテルということになろうか。繁華街への出店も目立っている。
1月22日に開業した「ハイアット セントリック 銀座 東京」も従来のフルサービスではなく、銀座の中心部というロケーションでゲストが各々の滞在スタイルを描くことを想定、夜の銀座をまるごと楽しめるホテルともいえる。
一方、夜の繁華街といってまず思い浮かぶのが新宿・歌舞伎町。アジア最大級の歓楽街、眠らない街などと表されるまさにナイトタイムエコノミーを体現するかのようなエリアだ。