少女のようなあどけない笑顔を見せたと思えば、情熱的な眼差しでこちらを見つめる──。カメラのシャッターが切られるたびにくるくると表情を変えるのは、女優・芳根京子(20)。1枚1枚に気合いを込め、喜怒哀楽を表情ひとつで表現するたびに、圧倒的な熱量を発散させる。
現在放送中のドラマ『海月姫』(フジテレビ系)で主演を務めるが、20歳にしてすでに“座長”としての振る舞いを心得ているようだ。撮影スタジオでも、ドラマのロケでも、空気が張り詰めがちな現場を自ら率先して盛り上げる。おどけてバレエのポーズを披露したり、スタッフにクイズを出題したり。本番直前のスタンバイ中でも、本誌のカメラに気がつけば笑顔を見せてくれるなど、常に周囲に目を配っている。
「いつも100%以上の力を出したいんです。150出せるなら150、100万出せるなら100万、100億出せるなら100億でも出したい! でも負けず嫌いな性格で、目標が高すぎると歯止めがきかなくなるので、120%を目安にしています(笑い)」
現場でへとへとになって帰宅するのが日々の喜びと明かす。
「課題は力みすぎないこと。何かに没頭すると周りが見えなくなってしまうんです。朝ドラ『べっぴんさん』の撮影中にも、胃腸炎で2回倒れてしまって。自分の限界を知らずに突っ走ったせいです。力の加減をうまくコントロールできれば潰れなかったのにと思うと、ものすごく悔しかったです」
すべてを出し尽くすことだけが正解ではない。朝ドラの現場で身をもってそう学んだ。