馬は新年があけると、一斉に齢をひとつ重ねる。これまで「3歳馬」と呼ばれていたのが、4歳になるとあまり年齢でいわれなくなる。いっぽう7歳、8歳となると、馬券を買う方は少し躊躇してしまうことがある。角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、馬にも年の功はあるのかについてお届けする。
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日本の競走馬の年齢はかつて数え年によっていました。生まれた時にはもう1歳。その後1月1日を迎えるたびに歳をとる。日本人の年齢に対する感覚で、高齢の方は「数えで○歳」などといったりしますね。
しかし2001年からは馬齢の国際表記に従い、「生まれた年を0歳(当歳)、新たに1月1日を迎えるごとに1歳加齢する」となった。つまり加齢日は一律に1月1日であるものの、馬齢イコール満年齢ではありません。
2、3歳馬はまだまだ精神的に子供です。ですが馬が成長するまでレースは待ってくれない。2歳でレースに出ます。気持ちも体も未完成のままでクラシックレースに向かう。
馬の身になってみれば、相当に不自由でしょう。人間を乗せずに伸び伸び走れるのはデビュー前だけ(その後は放馬という場面もありますが)。そんな馬の屈託を、人間は感じてやらなければいけない。
落ち着きがなかったり、指示に従わなかったりと、幼さからくる馬の行動について、人間の側が我慢するしかない。パドックなどでも、3歳馬は無駄な動きが多い。これが5歳になると、走る能力は別としてぐっと落ち着きが出てきます。オープン馬ともなれば貫禄さえ感じられるでしょう。その辺を感じることができる人は、かなりのパドック派です。