中国雲南省で、両親が省都・昆明市に出稼ぎに行っているため、農村部の自宅に残された4歳から11歳の4人兄弟を悲劇が襲った。彼らは台所で真冬の寒さをしのぐため、台所で木や石炭を燃やしていたところ、窓を閉め切っていたために、一酸化炭素中毒で兄弟全員が亡くなっていたことが分かったのだ。
中国では両親が出稼ぎに行き、祖父母らが残された子供の面倒を見るケースが少なくないが、今回の場合、子供たちだけが取り残されたケースである。ネットでは「政府は経済プロジェクトや軍備増強などに巨額な予算を付けているが、貧困撲滅を最優先にすべきで、優先順位を間違えている」などとのコメントが寄せられており、今回の悲劇が中国社会に大きな波紋を広げている。中国語のニュース専門サイト「新聞網」が報じた。
この兄弟が残された農村部は2014年10月にマグネチュード6.6の地震に襲われており、この年の5月と8月の地震を合わせると死者・行方不明者は730人余りで、家屋が倒壊するなどの被害を受けた被災者はのべ2万人以上に及んでいる。
この兄弟の自宅も全壊しており、両親は政府の支援策を利用して3万元(約53万円)を借りて自宅を建て直していた。しかし、この村での仕事では借金を返せないため、中学校を卒業した長男と一緒に3人昆明市に出稼ぎに行き、建設現場で働いていたところだった。
兄弟の悲劇が分かったきっかけは、小学校の先生がいつも通学している3人の兄弟が3日間も休んでいることを不審に思い、昆明市の建設会社で働いている両親に電話したことだった。
父親が自宅の近所の知り合いに電話をかけて、兄弟の様子を見てもらうよう頼んだところ、知り合いが、兄弟の自宅で4人が折り重なるようにして亡くなっているのを発見したという。