平昌五輪での公演を前に1月21日から韓国を訪れた北朝鮮の「五輪視察団」。その中でひときわ目を引いたのが、シルバーフォックスのファーコートを優雅に着こなす管弦楽団団長の玄松月(ヒョン・ソンウル)氏だ。韓国メディアはこの美熟女の動向を追うため大騒動を繰り広げた。
「取材団は視察団に張り付き、『朝食はアワビ粥』、『バッグはエルメス』などと彼女の一挙手一投足を熱心に報じたが、一般市民からは『まるで大名行列』、『北朝鮮のプロパガンダに乗るな』と批判の声も上がっていました」(韓国紙記者)
そもそも玄氏はどのような人物なのか。北朝鮮情勢に詳しいデイリーNKジャパン編集長の高英起氏が語る。
「玄氏の年齢は40歳前後で、北朝鮮のかつての大スター歌手です」
玄氏は1990年前半、平壌音楽舞踊大学を卒業。後に故・金正日総書記の肝いりで結成された普天堡(ポチョンボ)電子楽団で歌手として名を馳せた。
「玄氏は2006年頃に表舞台から姿を消し、『金正恩と男女の仲になったことが金正日の逆鱗に触れ、粛清された』との噂が流れた。だが実際は、『金正日の“最後の愛人”になったから』との有力証言を北朝鮮の情報筋から得ています」(前出・高氏)
玄氏にまつわるスキャンダルは他にもある。2013年には、北朝鮮で“ご法度”とされるポルノビデオに出演、販売に関与した嫌疑がかけられ「公開銃殺刑にされた」と朝鮮日報が報じた。