第3話の平均視聴率が5.9%と、低迷が止まらない月9『海月姫』(フジテレビ系)。そんななかで、キラリと光るのはヒロイン月海を演じる芳根京子(20)の演技だ。芳根にとって、この役はハマり役だとコラムニストのペリー荻野さんは指摘する。視聴率浮上のきっかけとなるか。ペリーさんが芳根の演技について綴る。
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芳根京子はいつも「心配顔」をしている。少なくとも私が目撃した限りはそうであった。朝ドラ『花子とアン』では、自分の生き方わ貫く母蓮子(仲間由紀恵)の娘、『表参道高校合唱部!』では廃部寸前の合唱部を心配する高校生、そして主演した朝ドラ『べっぴんさん』でも、出征して戻らぬ夫、戻っても暗い顔の夫、乳飲み子の子育て、子供服ビジネスのあれこれ、始終、何かを心配していた。どこか押しが弱く、強く押されるとしゅんとしてしまう印象だ。
しかし! そんな「弱腰」「心配顔」が最大限に活かされる役に巡り合ったのである。月9の『海月姫』だ。
役柄は、クラゲの絵ばかり描いているクラゲオタクの月海。おさげに眼鏡、化粧っ気ゼロで地味な服装で「尼~ず」と呼ばれるほかのオタク女子たちと男子禁制の共同生活を満喫している彼女は「おしゃれ人間は怖い」と、街に出ると腰が引けて、くの字になってしまう。なんだかもう、心配顔のためにあるようなキャラクターなのだ。
案の定、芳根京子はこの役がとってもうまい。突如、目の前に現れたおしゃれな女装男子・蔵之介(瀬戸康史)に振り回され、連れ出されるたびにおどおどと震えっぱなしだ。