NHK大河ドラマの熱心な視聴者たちが毎年、注視するのが放送開始時点での“未発表キャスト”だ。今年の『西郷どん』でも、必ず登場するはずの“大物”の演者が明らかにされていない例がいくつもある。ドラマ中盤から後半にかけての主要人物で配役が「トップシークレット扱い」(NHK関係者)なのが明治維新の立役者である坂本龍馬と、勝海舟だ。
歴史作家で『新選組!』(2004年)や『龍馬伝』(2010年)などの時代考証を担当した山村竜也氏は、その経験を踏まえてこう話す。
「“主役ではない龍馬”の配役は難しい。知名度と人気が圧倒的に高い歴史上の人物なので、イケメン俳優などを配してしまうと、主役より目立ってしまう懸念が出てくる。そうならない程度に光らせるのが肝。その意味では、昨年11月に放送されたNHKスペシャル『ドラマ龍馬 最後の30日』で龍馬を演じた新井浩文(39)がよかった。地味に見えて存在感があったので、大河でも適任と思う」
“大河ドラマ大好き芸人”の松村邦洋氏は、『龍馬伝』で龍馬を演じた福山雅治(48)の“再演”を望むという。
「『秀吉』(1996年)と『軍師官兵衛』(2014年)で豊臣秀吉を2度演じた竹中直人さん(61)は“主人公”の時は英雄として、2度目は悪役としての秀吉を見事に演じ分けた。福山さんも前作と違って長州と薩摩の間で暗躍する“ヒール役の龍馬”を演じてほしい」
『真田丸』では千利休役を桂文枝(74)が、『直虎』では今川義元役を春風亭昇太(58)が好演。今年の“落語家枠”に、時代劇研究家のペリー荻野氏が名前を挙げるのは立川談春(51)だ。