一度の踏み込みでグンと進み、楽々移動できる──街で電動アシスト自転車を見かけることが多くなった。それもそのはず。電動アシスト自転車の出荷台数は2016年までの5年間で39万台から57万台に増え、現在も市場の拡大が続いている。実はその背景にあるのが、50~60代のユーザーの増加だという。
最近では「孫の保育園の送迎に使いたい」という高齢者もいるが、そんな人に適したタイプもある。
例えば、ブリヂストンの『フロンティア』はチャイルドシートを取り付けられる。また車輪の直径が24~26インチと、一般の高齢者向けモデルより少し大きいタイヤを採用しており、スピードを維持しやすいので疲れにくいという。
さらにこんな安全機能も備える。
「ブレーキをかけると、後輪に加えて自動的に前輪のモーターブレーキが作動します。少しの力ですぐに止まることができるので、握力が弱い方に支持されています」(ブリヂストン広報部)
電動アシスト自転車はスピードが出すぎて危ないのではないかと心配になるが、自転車評論家の疋田智氏はこう解説する。
「日本の電動アシスト自転車は、道路交通法で時速10kmを超えると徐々にアシストを弱め、時速24kmで自動的にアシスト機能がストップするように定められています。これは世界的に最も厳しい基準です。
漕ぐ力が弱い高齢者や女性の自転車事故で多いのは、発進時に十分なスピードを出せずにフラついて転倒するケースです。電動アシストがあれば発進がスムーズになるので、フラつきにくくなります。事故予防面でもメリットがあると思います」