「部屋開きや引退相撲など、のイベントには、同じ一門の横綱が駆り出される。これだけで祝儀の集まりが変わる。初場所5日目までに1勝しか挙げられず途中休場した稀勢の里が、わざわざ場所中に稽古を再開してみせたのも、“稽古もできない状況なら土俵入りは認めない”と協会から止められる可能性があったからだといわれている」(同前)
そうした実態ゆえ、協会の運営を差配する理事たちは「一門の利益代表」という位置づけになってくる。
「一門内の親方衆が審判部など花形部署に配されるようチェックするなど、協会全体より一門の利益を優先させて行動する比重が大きくなる。だからこそ各一門が理事を分け合うことが、“角界の秩序”を維持することにつながるのです」(前出の協会関係者)
今も“独立採算の会社”である一門の集合体なのだ。だからこそ、「貴乃花親方のように一門制の秩序を乱す人間は、徹底的に潰される」(同前)というカラクリだ。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号