自民党政治家の決起集会や勉強会には“メシ”が欠かせない。意見の違いや利害を乗り越えて結束を図るために「同じ釜の飯」を食うのが“伝統儀式”なのだ。
正反対なのが希望の党、立憲民主党との統一会派の道を探る民進党系会派・無所属の会である。統一会派問題が大詰めを迎えていた1月16日夜、同会の10数人による緊急会合が都内のホテルで開かれた。その冒頭の光景──。
会議室にやってきた岡田克也・代表が、上座につくなり持参した“弁当”を1人でむしゃむしゃ食べ始めた。内状を知る議員の証言。
「夜8時スタートの会合でみんな腹を空かしていた。てっきり食事が出るのかと思ったら、弁当は自分の分だけで、出席者はコーヒーと紅茶だけ。『代表だけ食べるのか』『弁当持ってくるならみんなの分も用意してくれたらいいのに』と不満の声があがると、それが聞こえたようなんです」
そこで岡田氏がひとこと。
「君たちも弁当を買ってきて食べればいいじゃないか」
食い物の恨みは恐ろしい。短気で知られる幹部の1人は憤慨していたという。それでも岡田氏は“フランケンシュタイン”の異名そのまま、表情も変えずにむしゃむしゃ、むしゃむしゃ。これが「岡田1人メシ事件の顛末」である。岡田事務所にいきさつを尋ねた。