1970年代の日本の芸能界では、アイドルは清純であり、その胸は小さくなければならなかった。
あのアグネス・チャンが、豊満な胸元を隠そうとさらしを巻いていた逸話は有名だ。そんな時代に、世間を揺るがす1つの“事件”が起きた。1975年、アグネス・ラムの登場である。彼女が爆発的な人気を博し、日本に「グラビアアイドル」が誕生した。
その後、堰を切ったようにグラドルが登場するようになる。グラビア評論家の浜野きよぞう氏が解説する。(以下、「」内の発言は浜野氏)
「和製巨乳アイドル第1号は榊原郁恵でした。そして、1990年に第16代クラリオンガールに選ばれた、かとうれいこや細川ふみえを発掘した事務所『イエローキャブ』が鮮烈な巨乳路線ブームを巻き起こしたのです」
同事務所所属の雛形あきこはその“象徴”だった。
「グラビアデビュー当時、雛形はまだ高校2年生。それまでの巨乳のイメージとは一線を画す初々しさと、相反するセクシーな前屈姿勢『雛ポーズ』が世間に衝撃を与えた。グラビアの『基本ポーズ』が生まれました」
しかし、数年経つと世間は巨乳に慣れてしまう。グラドル界は多様化が進み、それぞれの雰囲気やキャラクターに注目が集まるようになった。