ビジネス

EVテスラの経営は「火の車」 E・マスク氏の評価に異変も

EVブランドの価値高めたイーロン・マスク(左)だが

 計画通りにいけば日本時間の2月7日未明、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから大型ロケットが「火星」に向けて試験発射される──。

「Falcon Heavy(ファルコンヘビー)」と名付けられたロケットは、米民間企業のスペースXが開発。“人類を火星に移住させる”との壮大な野望を抱くイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が打ち上げることもあり話題を呼んでいるが、なんとロケットには真っ赤なスポーツカーも搭載されている。マスク氏が宇宙ビジネスの傍ら経営する電気自動車(EV)メーカー「テスラ」のクルマだ。

 だが、そのテスラを巡っては、いま経営不安説が広がっている。

「これまでテスラのEVといえば800万円台~1000万円を軽く超えるような車体価格のモデルが多く、米国でも顧客は一部の富裕層に限られていたが、2016年3月に予約を開始した量産型の『モデル3』は3万5000ドル(約395万円)と価格を抑え、マスク氏も2017年末までに週5000台ペースで生産すると鼻息も荒かった。

 それがフタを開けてみたら、2017年7月の出荷開始から生産段階でトラブルがあり、世界で50万人以上いる予約者にほとんど納車されない状況が続いている。同年9月末時点の生産台数はたった260台。テスラ側は2018年4~6月期末までに量産体制を立て直すといっているが、これまでの遅れを取り戻すのは容易ではない」(自動車専門誌記者)

 すでにテスラは2017年1月よりモデル3向けの巨大なリチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」を米ネバダ州で稼働させている。およそ6000億円もの設備投資が行なわれたため、これ以上生産が滞れば、投資回収のメドも立たなくなる。

 テスラ車に車載用電池を供給しているパナソニックも工場の建設費を負担しているが、2月5日に発表された同社の決算(2017年4~12月期)では、モデル3の生産遅れの影響で電池事業の売上高が従来予想より450億円、営業損益も120億円悪化すると発表。対テスラだけの損失はその倍にあたるとも補足され、事の深刻さが浮き彫りになった。

 そもそもテスラ本体の経営がいつまで持つのかというリスクも多分に孕む。ジャーナリストの福田俊之氏がいう。

関連キーワード

トピックス

第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
(撮影/田中麻以)
【高市早苗氏独占インタビュー】今だから明かせる自民党総裁選挙の裏側「ある派閥では決選投票で『男に入れろ』という指令が出ていたと聞いた」
週刊ポスト
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン