小林麻央さん、北斗晶、南果歩など、最近は芸能界でも女性の乳がんが増えている。宣告・手術を経た末にどう自身の状況を認識すればいいのか。そこで、乳がんを克服した、女優でヒプノセラピストの宮崎ますみに話を聞いた。
* * *
乳がんが発覚したのは2005年のことです。実はその2年前くらいから、小さなしこりがあることには気づいていました。告知を受けてからはあっという間で、すぐに右胸腫瘍の部分切除手術を受け、放射線治療を2か月、ホルモン療法を10か月受けました。
“自分はがんなんだ”と実感したのはむしろ術後の治療からです。倦怠感や不眠、ホットフラッシュなど副作用がひどく、気持ちもどんどんネガティブになってしまい、ついにホルモン治療をやめる決意をしたんです。副作用のつらさや気持ちの落ち込みを話すと、主治医の先生はしっかりと聞いてくれてリスクの説明も丁寧にしてくれました。
そこで、再発する恐怖よりも“私らしく生きる”方に気持ちを向けることができ、後悔しない生活をしようと生き方を変えたんです。まずは冷蔵庫のものを全部捨てて玄米菜食に。今ではもうお肉なども食べますが、控えめですね。
それから、メンタルケアです。海外ではチーム医療でメンタルサポートも充実しているのですが、日本ではそれがない。だったら自分が始めよう、と潜在意識療法を行うヒプノセラピストになったんです。
自分に必要なケアをするために、自分の軸を見失うわけにはいきません。自分の人生を創造的に生きる力を取り戻すために、どんなことが自分に必要か。信頼できる人と見極めてほしいと思います。
◆「代替医療」のメリットと問題点
昨年、がんの治療法として報道され賛否の議論を巻き起こしたのが“代替医療”だ。前述した手術や抗がん剤などの標準治療とは異なり、保険適用外で1回数十万円の免疫療法や温熱療法などが大きく取り上げられているが、本来は標準治療をサポートする目的で受けるもの。基本的には、健康食品、サプリメント、針灸やマッサージ、食事や運動指導や精神的なコンサルティングなどをいう。