「港区」では夜な夜な、実業家や外資系金融勤務、医者や弁護士といった“ハイスペック男性”と、それをつかまえようとする「港区女子」たちがキラキラした飲み会を繰り広げている。容姿端麗な港区女子にも「選ばれる」人と「選ばれない」人がいるという。現役港区女子でコラムニストの吉川リサコ氏が、その違いを綴る。
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東大が本命の受験生は、多くの場合、早慶上智を滑り止めにする。早慶上智が本命なら、MARCHを滑り止めにする。受験とはこのように、最大の目標に向けて頑張るためのラインがわかりやすい。
ハイスペック男との恋も同じだと思う。1人の最高のハイスペ彼氏が欲しいなら、最低3人のハイスペ彼氏を作れるくらいの努力をしなければ、本命に“合格”するのは困難だろう。
努力もせず、人並みにマツエクやネイルをするだけで「飲み会に参加すれば、ステキなメンズに出会えるかも!」とか、「可愛いって言われることもけっこうあるから、私はモテるタイプかも」なんて過信を抱き、男を見ては「タイプじゃない」なんて、勝手に選ぶ側に回っている女子は多い。
忘れてはいないだろうか。ハイスペ男を勝ち得たいならば、選ぶより先に、選ばれなくてはならないのである。
「私は選ばれてると思うよ。だって、週に1回くらい電話くるし、メールも返ってくるし、体の関係だってある」──港区女子デビューしたばかりの女がよくこんなことを言う。それは選ばれているのだろうか。
私の友人で数々のハイスペを転がしてきた港区女子は、彼らを「ゴキブリホイホイ」と表現していた。ゴキブリ女がホイホイに入り、勝手に出られなくなって自滅しているというのだ。それは「選ばれている」わけではない。
選ばれる女と選ばれない女。何が違うのか。いい例がある。39歳、実業家のユタカには、カスミとエリカという遊び相手がいた。2人とも客観的に見て美人だと思う。だが、ユタカは疲れていて機嫌が悪いと、「お前といてもつまんないわ」ということがあった。本気で言っているわけではなく、ちょっと感じ悪い口ぐせのようだ。
この言葉を投げかけられたカスミはひどく傷つき、「ひどい! なんでそんなこと言うの?」と泣きわめいた。自分が愛されていると思うゆえの行動と思えば、当然かもしれない。
一方、エリカは同じ言葉を投げかけられても、明るく「ウケる!」と笑って答えた。