「怪獣博士」として知られるライター・編集者・プロデューサーの池田憲章氏と、怪獣グッズコレクターの芸人・なべやかんが、「俺たちが恋したヒロイン」について語り合った。
──世代の違うお二人ですが、特撮に目覚めたのはいつですか。
池田:僕は昭和30年生まれで、小学生の時に『忍者部隊月光』(1964~1966年、フジテレビ系)が始まった。原作は吉田竜夫のマンガで、女性が手裏剣を敵に向かって投げるという痛快さ。ドラマでは、三日月(森槙子)がカッコイイんですよ。その後「第1次怪獣ブーム」が始まって、日曜に『ウルトラマン』(1966~1967年、TBS系)、月曜に『マグマ大使』(1966~1967年、フジテレビ系)があって。さらに東宝のゴジラ映画も年に1度は公開されるんだから、それは誰もが“特撮少年”になっちゃいますよ。
なべ:僕は昭和45年生まれで、「第2次怪獣ブーム」が始まろうかという時期。実際に特撮を身近に感じたのは、後楽園ゆうえんちで見た『超電子バイオマン』(1984~1985年、テレビ朝日系)の野外ショーでした。そこで即、2代目イエローフォーの田中澄子さんや、ピンクファイブの牧野美千子さんのファンになりました。
──50年以上も続く特撮ヒロインの歴史ですが、エポックメーキングとしては『ウルトラセブン』(1967~1968年、TBS系)の友里アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子になりますか?
なべ:僕は1981年の特撮イベントで初めてお会いしましたが、きれいな人でしたね。
池田:初期のウルトラシリーズのメイン脚本家である金城哲夫さんは、真理アンヌという女優さんのファンで、実際、何度かゲストに出していた。それで『セブン』にもレギュラーで出てほしかったけどかなわず、女性隊員の役名を「アンヌ」としたんです。