米国市場での株価暴落を受けて、2月2日からの1週間余りで日経平均株価は2000円を超える下げとなった。6日には2000年4月のITバブル崩壊時を上回る、一時1600円超の下げ幅を記録。バブル期以降の最高値をつけた1月23日の2万4129円からわずか半月で、実に3000円以上もの暴落となった。
「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの株価が5万円台から4万円割れ寸前へと“昨秋の株高前水準”まで下落。巨額の損失に見舞われた投資家も少なくない。
「昨秋来の株高に沸いてきた投資家たちを一気に恐怖に陥れ、市場でも『バブルの崩壊』を危惧する声が聞かれました」(日経CNBCコメンテーターでケイ・アセット代表の平野憲一氏)
株式投資には株価下落リスクが付き物とはいえ、特に、今後の収入増が見込めないリタイア世代は、虎の子の老後資産は少しでも減らしたくない。現役時代なら下落には損切りして、次の上昇局面を待って再チャレンジする“余裕”もあったかもしれないが、老後マネー運用の場合はそうはできない。
しかし、そうした全面安の様相の中でも、実は暴落しなかった銘柄は存在する。前出の平野氏が語る。
「今回の急落は、老後資産の運用先に適した銘柄をふるいにかけたといえるかもしれません。暴落でも株価を崩すことなく耐えた銘柄は、“今後も信用が置ける”という評価を得た側面があります」
マーケットバンク代表の岡山憲史氏によれば、実際に、今回の相場混乱の渦中に「年初来高値」を更新した銘柄がなんと39あった(2月13日現在)という。たとえば、2月2日から17%の上げ幅を記録している日本光電(東1・6849)などだ。