様々な分野でAI(人工知能)が活用されることで、働き方や学び方、生き方などが大きく変わりつつある。経営コンサルタントの大前研一氏が、AI時代に必要とされる教育について提言する。
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明治維新150周年という節目に、この国を造り直す「維新」の必要性がある。その「維新」においては、膨れ上がった公務員を大幅に削減することが極めて重要だ。
公務員の仕事の大半は、AI化によって不要になる。なかでも地方公務員は、47都道府県・1741市区町村が、どこもかしこも同じことをやっている。しかも、地方公務員の仕事の大部分は国からの委託業務だ。その上、各種の届け出や許認可など作業内容に一定のパターンがあってマニュアル化や外注化が可能な「定型業務」が大半で、クリエイティブな能力が必要な「非定型業務」は予算編成やイベントの企画など非常に限られている。
したがって、中央に業務系のシステムを置き、インターネットで国民が各地方自治体に直接アクセスできるようにすれば、警察、消防、ゴミ収集、公園の清掃といった労働集約型の分野以外の地方公務員は、おそらく現在の10分の1に削減できるだろう。
同様の理由で、学校で教科を教える先生も10分の1に削減できると思う。なぜなら、今の日本の小学校・中学校・高校の先生は、文部科学省が定めた学習指導要領に基づいて画一的に教えているだけだからである。
ということは、先生は誰でもよいのである。たとえば、池上彰氏や林修氏のようにわかりやすく教えられる先生の授業をネットで受講できたら、それで事足りる。実際、今は大手予備校でも人気講師による授業映像の配信が当たり前になっている。さらに、学習指導要領に準拠した「AI先生」を導入すれば、講師は生身の人間である必要はなく、ロボットやマンガやアニメで代替できる。