日本政策金融公庫の『消費者動向調査』によれば、日本人の食の志向は「健康志向」がトップ。平均寿命も年々伸びる中で“健康であること”は今や全国民の至上命題になっている。そこで、健康雑誌の老舗『壮快』の編集部を訪ね、健康にまつわることを聞いた。
まず、数多くの健康情報が飛び交うなか、その情報の真偽などをどう見分ければいいのだろうか。『壮快』の安藤伸剛編集長(47才)は「コメンテーターに注意しましょう」と呼びかける。
「いちばん大切なのは、誰がその情報を発信しているかを確認することです。医師や歯科医師、鍼灸師、柔道整復師、理学療法士は国家資格が必要な職業ですが、たとえば整体師やインストラクターは国家資格ではない。資格を持っていても、それは民間の資格です。確かな実績や技術を持っているかたばかりとは限りません。資格がすべてとは言いませんが頭の片隅に留めておくべきだと思います」
また、人間の体は人それぞれ。人気の健康法が必ずしも自分に合うわけではない。
「どんな健康法でもそれを1つだけやっていれば健康になれる保証はどこにもないし、何にせよやりすぎは逆効果になる。それは食品も同じ。どんな食品でも、食べすぎれば体に悪いし、そればかり食べれば栄養が偏ります。また、万人に効く健康食品や健康法はないのが現状です。1つだけの健康情報をうのみにせず、いろいろ試して自分に合った健康法を見つけて実践することが必要です」(安藤編集長)
実際、健康のエキスパートである『壮快』編集部の面々も大事にしている健康法は一人ひとり違う。
食生活に気を配るのは、バランスボールに座って仕事をしている50代のベテラン社員・谷口邦彦さんだ。
「朝食は米を食べるより果物の方がやせやすいと思って納豆にりんごと米ぬかを入れて食べています。昼は魚を中心に近くの定食屋さんで食べ、仕事が遅くなれば、夕食を抜きます。日中は腎臓と肌にいいとされるハトムギ茶をよく飲みます。お酒は好きなのでがまんしません。レモンハイかシークワーサーハイにおつまみはナッツ類。この食生活を1年間続けたら、82kgあった体重が6kg減りました」