まずは監督だ。
誰にするのか。任期はどうするのか。男女兼任にするのか。というか誰が選出、任命するのか。
ハッキリ言ってしまうと、カーリング界には地域ごとに“温度差”があり、都道府県ごとに協会の発言力や熱量が違ったりする。そうした中で例えば、北海道出身の監督が指揮を執ると、選考に偏りがあった場合、どこかから物言いがつくのは目に見えている。
また、結果が出なかった場合、誰が責任をとるのか。人事権は協会のどこにあるのか。あまり固まっていないのだ。まずは協会が一枚岩となり、明確にする必要がある。
2つ目は予算、お金の問題だ。
現在、国内のチームは実業団かクラブチームかのどちらか。前者は中部電力や北海道銀行、富士急などで、選手は全員がそこに所属し勤務しながら、企業の名を冠した部活動あるいは広告塔として活動を続ける。
今回の平昌代表の2チームは後者の「クラブチーム」だ。地域のクラブに数社、数十社のスポンサーをつけて活動費を集める。選手はそれぞれ違う所属先があり、カーリングを優先させてもらいながら働いているが、おそらく五輪シーズンの今季はほとんど勤務できていないだろう。それでも雇用してくれて給料を発生させている企業はカーリング界を支える粋なタニマチだ。
選抜チームを結成するということは、そういったこれまでカーラーをサポートしていた企業との関係を見直さなければならない。ジャパン結成に際して長いスパンでサポートしてくれる企業と契約できればいいのだが、その交渉力や営業力が現在のカーリング界にあるかどうかは定かではない。