緊迫する朝鮮半島情勢で、日本人の目は金正恩ばかりに注がれている。だが、本当に危ないのは文在寅だ。元駐日韓国大使館公使の洪ヒョン氏が警鐘を鳴らす。
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文在寅の大統領就任からおよそ8か月、青瓦台(大統領府)は「反米親北勢力」に乗っ取られた。
政務職はもちろん、中央省庁の局長・課長級に該当する秘書官とその他の行政官のほとんどは金日成主義である「主体思想」を学習した者らで、南北連邦制(*)を追求した「全大協(全国大学生代表者協議会)」や左翼活動家たちだ。彼らは、「韓国そのものを平壌に捧げよう」という強い信念を持つ親北勢力である。
【*朝鮮半島における「1国家2体制2政府」を想定し、南北の地方政府がそれぞれ国防、外交権を持つ構想。地方政府の上位に連邦国家の中央政府が位置する】
極左勢力がめざすのは、連邦制による金正恩体制との赤化統一に他ならない。
文在寅は盧武鉉政権のとき連邦制赤化統一を目論む公安事犯らの赦免を主導し、国家保安法の撤廃を試みてきた。昨年10月には「憲法を改正して国家機能の抜本的な地方移譲に乗り出す」と宣言した。「低い段階の連邦制」に備えソウルの首都機能を弱体化させる試みである。
文在寅・主体思想派政権は、憲法と国体を守る国家保安法を廃止し、韓米連合司令部の早期解体を進めている。レジームチェンジ(国体変更)を完成させて連邦制へとなだれ込む戦略だ。さらに文在寅は昨年12月、中国を訪問して韓中関係は「運命共同体」と言った。韓米同盟からの離脱宣言で、弾劾事由が追加されたと言ってよい。
だが「ロウソク革命」というクーデターはまだ成就していない。極左勢力は労組を通じて在来の大手メディアは掌握したが、インターネットなどのニューメディアは抑えきれず、右派が真実を内外に伝えられる。