放送を終えるまであと1か月あまりとなった連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)。ここ最近は視聴率20%超えを記録することが多く、好調だ。この朝ドラ、意外にも大河ドラマ『おんな城主 直虎』と共通点があるという。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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盛り上がる平昌オリンピックの最中、終盤の物語が粛々と進む朝ドラ『わろてんか』。わざわざ“粛々”と書いたのは、スタート当初、勝手に抱いていたイメージとは違い、意外に「弾けない」ドラマなんだなと思うからだ。
大阪を舞台に「笑いの殿堂」を作った夫婦の物語と聞いて、さぞかし破天荒な展開になるのかと思いきや、ヒロインてん(葵わかな)は超しっかり者。集まってくる芸人たちもアブない感じの人間はいない。地に足の着いたヒロインの一代記となっている。
かつて昭和の人気女芸人ミヤコ蝶々の半生を描いた昼ドラ『鈴子の恋』は略奪愛、借金、ヒロポン中毒など、舞台裏のこってりした話満載だったことを思うと、『わろてんか』の爽快感は、さすが朝ドラだと改めて思う。
さらに『わろてんか』は、昨年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』といくつか共通点がある。共通点の第一は、主人公が、「主」であること。一族の男たちが次々と亡くなり、直虎(柴咲コウ)は城主となり、てんは北村藤吉(松坂桃李)亡きあと、夫が起こした北村商店の「おんな興行師」となった。ただし、直虎が自ら武将姿で戦などすることがなかったのと同じく、てんも自ら舞台に立つことはない。
共通点の二つ目は、「息子に悩まされる」こと。直虎が育てた虎松(菅田将暉)は、少年時代、徳川家の草履番となるや、その整理整頓システムを考案。何かというと「日の本一」になると眉毛を吊り上げ、鼻息を噴射して、暴走気味。一方、『わろてんか』では、先日、てんの息子隼也(成田凌)がアメリカの有名なショーを招聘しようと焦って、巨額の詐欺にあってしまった。偽物の代理人に払った手付金はなんと5000円!! 現代価格にしたら1000万円以上!? あちゃー。ちなみにその週のタイトルは「ボンのご乱心」である。
そして、もっとも際立つふたつのドラマの共通点といえば、「いつも助けてくれるのは高橋一生」というところだ。