カレンダーやポスター、雑誌でのグラビア、写真集の撮影などで幅広く活躍し、近年はTV番組のコメンテーターや政府の諮問委員まで務める写真家・関口照生氏。約半世紀に及ぶ写真家生活の中で出会った女優たちとの撮影秘話を明かす。
関口氏の作品を語る上で欠かせない被写体は、妻である女優の竹下景子だ。出会いは彼女が20歳の頃。銀行のポスター撮影の現場だった。
「あまりに素人っぽくて、とてもタレントさんだとは思わず、現場を訪れた彼女に“ご用件は?”なんて聞いてしまいました(笑い)。でも撮影すると、まだ出来上がっていない可能性を秘めていると感じましたね」
それからは毎月のように撮影。3年後には、海外での印象深い写真集の撮影も行なった。
「友人とギリシャの島々を巡る卒業旅行に行くというので、マネージャーの許可を得てロードス島で合流しました。撮影は1日数時間で、あとは彼女の旅行時間。掲載した、光の中でボディラインが浮き上がる1枚はその時のものです」
同じように秘めた可能性を感じたのは、デビュー前に会った辺見えみりだった。
「彼女が15歳の頃、母親の辺見マリさんのご縁でお会いしました。今よりふっくらしていたのを覚えています。その後、デビューしてから撮影したのですが、初めて会った頃の良さを残したいいタレントさんになっていて、感慨深いものがありました。デビューまでの2年間、徹底してトレーニングや勉強をして努力されたんだと思います」