スポーツ

宇野昌磨の不思議な魅力は「フォールス・コンセンサス効果」

宇野昌磨選手の魅力の一つはその言動

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、フィギュア男子シングルス銀メダリストの宇野昌磨選手に注目。

 * * *
 フィギュアスケート男子で見事、銀メダルに輝いた宇野昌磨選手。人々を魅了した演技の素晴らしさもさることながら、会見やインタビューで見せた天然ぶりに注目が集まっている。そんな宇野選手の魅力とは何だろう。

 表彰式の後、羽生選手が宇野選手の頭をなでていたシーンが印象的だった。相手の頭をなでるという仕草は、大人同士の間では、なかなか簡単にできるものではない。頭は、身体の中でも一番重要な部分のため、大人になると信頼できる相手にしか触らせないからだ。その時の宇野選手は嬉しそうに白い歯を見せて笑い、その様子だけで、羽生選手との関係がよくわかる。そんな彼を、羽生選手はリスペクトしながらも「本当にかわいい。弟分というより、ワンコに近い」と話す。

 ワンコに近いかわいさということを考えてみると、つぶらな瞳で、まっすぐに自分を見上げるかわいさ、無邪気で嘘がなく、いつも一生懸命ということだろうか。そう思って宇野選手のインタビューを見てみると、確かに彼の笑顔には嘘がない。カメラを向けられほほ笑むことはあるが、営業スマイル的な作り笑いや、口元は笑っているのに目が怖いということがない。その表情はいつも自然で気負いがない。

 メダル確定直後のインタビューでは、「1個目のループを失敗した時点で笑っちゃいました」とはにかむように笑った。彼は、このはにかむような笑顔をよく見せる。ゆるいウェーブのかかった前髪の間から、ちょっと見上げるようにあごを引き、大きな瞳で相手を見つめて恥ずかしそうに笑うのだ。あごを引いて恥ずかしそうに笑う仕草は、相手に茶目っ気やあどけなさを感じさせ、時には無防備にすら見えてくる。

 弟さんによれば、宇野選手は人見知りらしい。答える際のこんな表情は人見知りのせいもあるだろうが、それが返って宇野選手の魅力を引き出している。また、話すのが得意ではないのに、頑張ってインタビューに答えようとすることで、あの天然ぶりが出てしまうらしい。

 この時のインタビューでも、五輪にかけた熱い思いを聞き出そうとした質問に、明るい表情であっけらかんと「特別な思いは最後までなかったですね」とリポーターを見つめながら何度もうなずいていた。そこには何の計算もないのだが、リポーターには期待はずれの返答だったのだろう。「ありがとう」という声も小さく、インタビューを終えていた。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン