男子たるもの誇り高く生きたいものである。たとえ、一時的に嫌われたとしても、いつか感謝されるような言葉を残しておきたい。そう考える中年男性は少なくないだろう。コラムニストの石原壮一郎氏が指南する。
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おっさんはおっさんなりに、今日もケナゲに一生懸命に生きています。職場の若者から白い目で見られたり呆れられたりすることも多々ありますが、くちばしの青いヒヨッコどもの評価なんて気にしている場合ではありません。
「嫌われたくない」と思ってビクビクしていたら毎日疲れるだけだし、若者を成長させるというおっさんとしての大切な役割を放棄することになります。そもそも、何をやっても嫌われるのがおっさんの宿命。ここはあえて「嫌われるおっさん」を目指すことで、心の平穏を保ちつつ、おっさんなりに胸を張れる生き方を模索しましょう。
嫌われるおっさんになるには、若者に対して次の3つのことを実践すれば一発です。
その1「考え違いや甘えた了見に対しては、きっちりダメ出しをする」
その2「今の常識と昔の常識の違いを感じたときは、疑問をぶつける」
その3「嫌な顔をされても気にしないで、どんどん食事やお酒に誘う」
まずは「その1」。若者は考え違いに気が付かなかったり、甘えた自分を巧みに正当化したりする生き物です。おっさんがダメ出しをしないで、誰がダメ出しをするのか。もちろん相手は不愉快でしょうが、何も言わずにスルーしてしまったら、こっちがモヤモヤを味わわなければなりません。いつか感謝されることを信じて果敢にダメ出ししましょう。
「その2」も、やれそうでなかなかやれない行為です。若者は「今の常識」が正しいと思い込んでいますが、そうとは限りません。とはいえ「昔の常識」が正しいとも限りません。ひるまずに疑問をぶつけることで、お互いにとって新しい発見があるはずです。
「その3」は当節やりづらいご時世ですが、若者の顔色なんて見て見ないふりをするのがおっさんの役割であり気概。おっさんと接することでしか得られないもの、おっさんにしか伝えられないことは必ずあります。まったくなかったとしても、気が進まない相手と食事をしたりお酒を飲んだりする経験は、若者をそれなりに成長させるに違いありません。
どれも険しい道のりですが、勇気を振り絞って前に進みましょう。尊敬されるおっさん像とかおっさんとしての満足感とかは、きっとその先についくるはず。裏目に出る可能性も大いにありますが、そのときは若者のバカさ加減を嘆けば大丈夫です。