芸能

『わろてんか』視聴率V字回復の理由 まだ上がる余地ありか

視聴率がV字回復している『わろてんか』(公式HPより)

 連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)の視聴率がV字回復している。内容への評価も酷評から一転、絶賛の声が増えている。その背景について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 朝ドラ『わろてんか』の視聴率が上がっています。第2週の平均視聴率が早くも10%台に落ち込むなど苦戦が続いていましたが、1月末あたりからジリジリと上昇し、2月16日放送の114話では自己最高の22.5%を記録。それまでは前作『ひよっこ』の高視聴率をそのまま引き継いだ3話の22.3%が最高だったことから、「いかに苦しんでいたか」「いかに復調傾向にあるか」がうかがえます。

 ネット上にはネガティブな記事や視聴者の酷評が目立ち、1年前に視聴率を下げながら終了した「『べっぴんさん』の二の舞を演じるのではないか」と言われていた『わろてんか』は、なぜV字回復できたのでしょうか。

◆朝ドラを支える中高年層好みの展開

 今年1月8日に80話が放送されたころは、16.6%の最低視聴率を更新するなど、まさにどん底。このころは安来節乙女組や関東大震災のエピソードがあり、その後も落語のラジオ放送や、てん(葵わかな)の夫・藤吉(松坂桃李)の病状が悪化、キース(大野拓朗)・アサリ(前野朋哉)がしゃべくり漫才を完成させるなどの大きな出来事がありましたが、視聴率はそれほど上向きませんでした。

 しかし、1月29日からの第18週「女興行師てん」で急浮上し、週平均視聴率は21.0%を記録。翌19週「最高のコンビ」でも週平均視聴率21.0%を記録して、回復の傾向がハッキリと表れたのです。

 18週は、「てんがいよいよ女興行師として最前線へ」という筋書き。それまでのてんは、「笑顔で夫を支える元お嬢さん」というイメージでしたが、「ヒロインが仕事に奮闘する」という朝ドラらしいストーリーになったことで、長年の朝ドラファンが戻ってきたのではないでしょうか。

 また、19週はリリコ(広瀬アリス)と四郎(松尾諭)の新コンビが「しゃべらん漫才」を完成。伝説のコンビ、エンタツ・アチャコを彷彿させるキース・アサリに続いて、ミスワカナ・玉松一郎を彷彿させるミス・リリコ アンド シローが登場するなど、当時の芸能史をなぞるような興味深い演出で視聴者を引きつけました。

 ヒロインが仕事に奮闘するストーリーと、歴史をなぞる演出。どちらも長年、朝ドラの視聴率を支えてきた中高年層が好むものだけに、「見るか見ないか紙一重」の人々を取り込んでのV字回復も納得できるのです。

◆恒例の“朝ドラ受け”が残り1か月に

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン