いよいよプロ野球のオープン戦が始まり、シーズン開幕が迫ってきた。観戦の楽しみを増やしてくれるのが「選手名鑑」だ。ベースボール・マガジン社、日刊スポーツ、スポーツニッポン、宝島社、廣済堂出版が刊行するものが球界関係者の間では『5大名鑑』と呼ばれているが、それ以外にも個性的な名鑑が存在する。
各社とも発行部数は公表していないが、「それぞれ3万~5万部前後が出ていて、最も売れるもので10万部ほど」(同前)というのが通り相場のようだ。
そうした中で異彩を放つのが、中日新聞社が発行する『プロ野球選手ガイドブック』だ。中日新聞社出版部・野嶋庸平部長は「NPBに申請している販売部数は約33万部です」と語る。
「もともと、中日新聞が発行する中日スポーツなどの購読者に無料配布する目的で創刊したものですが、購読者以外の中日ファンからも要望があったため、書店や売店でも販売することになりました。大量に印刷することでコストも抑えられるので、他よりかなり安い216円で販売しています」(同前)
ただし、「前年の順位にかかわらず、必ず中日のページが巻頭にある。選手のプロフィールも特別扱いで、地元企業の広告が並ぶ。全球団を扱ってはいるが、中日ファン以外は興味を持てない(苦笑)」(スポーツ紙記者)という評判だ。