日本は世界有数の長寿国として広く知られているが、細かくデータを見ていくと、都道府県ごとの平均寿命にはかなり差がある。
厚生労働省が調査する平均寿命。男性の全国平均は80.77歳で、最も長生きする県は滋賀県、最も短命の県は青森県。約3年もの格差がある。一方、女性の場合は、全国平均87.01歳で、1位は長野。最下位は青森で約2歳という格差がある。25年前と比較すると、平均寿命は男性が約9年、女性は約10年も伸びている。
この格差の背景を東京大学大学院がワシントン大と共同で、医療費や医師数などのほか、生活習慣などのリスク要因を分析したが、関係性は見いだせなかったという。ちなみにがん、心疾患、脳血管疾患の3大疾病の死亡率が高いのは男女ともに岩手だ。
一方、20歳以上を対象に、タバコを毎日吸っている、または時々吸っている人の割合を調べた喫煙率。女性では北海道がトップで6人に1人が喫煙者という驚きの結果。男性の喫煙率でも北海道は2位で、男女合計では1位。それに続くのが青森、岩手、福島、群馬で、東日本勢が続く東高西低になっている。
北海道や東北では、酪農や農業従事者が屋外で他人を気にせず吸えることが、喫煙率を押し上げているとも言われている。また、喫煙率の低い奈良は禁煙指導協力をする薬局を普及させる事業に取り組み、鹿児島は全面禁煙の飲食店をホームページで紹介するなど、自治体が積極的に禁煙対策を行なっている。
◆取材・文/浅井英彦(HEW)
※週刊ポスト2018年3月9日号