実業家や弁護士、医師といった「ハイスペック男性」と、彼らをターゲットとして夜な夜な港区周辺でキラキラした飲み会を開く「港区女子」。その界隈でも有名な美人が「レイラ」だ。現役港区女子でコラムニストの吉川リサコ氏が、レイラとあるハイスペ男性の“事件”をリポートする。
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レイラは港区女子界隈でも有名な美人である。代々の資産家で祖父はスキー場、ゴルフ場なども持ち、父親も実業家。本人は超有名女子校出身で、顔もスタイルも抜群。街を歩けば誰もが振り返る。
高校生の頃は街を歩けば事務所にスカウトされた。女優のアン・ハサウェイに似た、日本人離れした頭の小ささに彫りの深い美人顔。頭脳も明晰で、輸入業の会社を立ち上げ女社長をしている。性格も社交的で明るく、一緒にいると癒し系の一面もある。天は二物も三物も与えたのだ。私も彼女と歩いていると、女の子までもが目を丸くして振り返るため、得意な気持ちになる。
そんな彼女だから、自然と周りにハイスペック男性は多い。ある日、レイラは起業家の友人に誘われて食事会に参加した。そこにヒロキはいた。
ヒロキも港区界隈ではそこそこ有名なハイスペック男である。メディアにも露出している弁護士で、ロロ・ピアーナのオーダースーツを着こなし、清潔感に溢れている。
ヒロキはレイラを食事に誘った。レイラは、友人の紹介ということで無下にはできず、「食事は1人より2人で食べたほうがマシかなくらいの気持ちで」出向いたという。レイラいわく、「ありきたりな高級レストラン」だった。ヒロキは言った。
「俺もそこそこ稼ぐし頑張ってるけど、レイラちゃんも能力高いし、俺らって合ってるんじゃないかな」──ここでまず違和感。そして、食事後。「俺、この辺で顔きくから。知り合いが経営してるバーへ行こう」