日本列島には47の都道府県があり、県民性は様々。「教育」に関しても県民性は存在する。
「教育費」に注目すると、興味深い事実が明らかになる。教育費とは幼児教育や学校授業料、塾や専門学校の費用、教科書、学習参考書代などを含む教育費の総額のこと。全国平均は13万5361円、1位の埼玉は全国平均の約1.6倍である22万3384円。以下、東京、神奈川、奈良、京都と並び、貯蓄額の上位(1位=奈良、2位=東京)と似たような顔ぶれとなっている。
一方、最も少ないのは長崎で埼玉の約3分の1(7万9680円)。これに鳥取、岩手、島根、秋田と続く。ただし教育費が少ないからといって教育熱心でないわけではない。実は教育費の内訳を見ると私立大学授業料が押し上げている。44位の島根には私立大学がなく、鳥取の私立は看護大学のみ。この2県や長崎は国公立大学への進学志向が強い。
また、「校内暴力」について見てみると(内訳は、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物破損など)、小中高生1000人当たりの全国平均は4.53件。最も多い島根と、最も少ない愛媛との格差は10倍以上。島根は不登校小学生の数も多い。一方、校内暴力件数の少ない愛媛と福井は学力テストの上位グループに属する。
◆取材・文/浅井英彦(HEW)
※週刊ポスト2018年3月9日号