日本は、北は北海道から南は沖縄まで、細長い国土を持つ。一口に「日本」と言っても、都道府県ごとに様々な特徴を持っており、それは「文字に対する関心」にも現れる。
新聞を購読している人が最も多い県は1世帯当たり1.01部の富山となった。1を超えているため、富山では2紙を購読する世帯もかなり多いようだ。さらに1部で2位となっているのが福井で、その後に石川、奈良、島根が続く。上位県は小学生学力ランキングでも上位となっているのが興味深い。
一方、最も新聞を読まない県は鹿児島で、2世帯のうち1世帯でしか新聞を購読していない計算となる。鹿児島に続くのが熊本、沖縄、高知。九州と四国が軒並み下位となったほか、東京や神奈川などの大都市圏も下位グループに位置する。
読書量では、さらに顕著な差が現れている。1年間に書籍購入に最も多くお金を使う県は山梨(1万8563円)で、最下位の青森(4732円)とは4倍以上もの格差がついた。全国平均は7557円であるが山梨は約2.4倍もの金額を費やしている。それ以外の上位や下位には、地方別の傾向は見られない。
書籍に関連する図書館数を見ると、総数では東京、埼玉、大阪と大都市圏が上位になるが、人口10万人当たりの図書館数では、山梨がトップとなったほか、購入費で上位に位置する県が上位に並んだ。図書館数充実度と書籍購入費は連動するようだ。また中学生の図書館利用率でも山梨は1位となっており、山梨は世代を超えた読書好きの県と言えるだろう。
◆取材・文/浅井英彦(HEW)
※週刊ポスト2018年3月9日号