180センチ近い長身に、落ち着いた色気と渋さを纏う内野聖陽(49)が現われると、その存在感に圧倒される。
早稲田大学在学中の1992年、留年した内野は先輩から文学座の受験を勧められ、見事合格した。研究生になった翌年には、土曜ドラマ『街角』(NHK)で俳優デビュー。以来、舞台や映画と着実に活躍の幅を広げてきた。
ここ数年は、大河ドラマ『真田丸』(NHK・2016年)の徳川家康役に体重を16キロも増やして挑んだかと思えば、昨年末の『ヘヤチョウ』(テレビ朝日系)では、悩みや葛藤を抱えつつも事件解決に奔走する刑事を好演している。
「『真田丸』の時はたまたま舞台を終えた直後で痩せすぎていたので、家康のイメージに合わせて体重を増やしただけ。役として求められると、自分を追い込んで必死になれるんです。僕が思うのは、役者っていただいた役がご縁で続いていくものだってこと。だから目の前にある役を全うすることに精一杯。舞台を中心にやりたいとか、映画がいいといった希望はないんです」
役者人生は25年目に入った。ストイックに役と向き合い続けてきた内野だが、最近プライベートで凝っているのは「アクアリウム」だという。
「去年の夏に地方ロケに行ったとき、サービスエリアで鑑賞用のタナゴが売られていて。昔からタナゴが好きだったから『かわいい!』と思って、悩んだけど勢いで買っちゃった(笑い)。水槽やポンプも一式揃えました。水槽に生えるコケをエビが食べてくれると聞いて、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビも飼い始めた。今はメダカもいるから、もうね、水族館でしょ(笑い)」
屈託ない笑顔で「魚に餌をあげていると癒されるんですよ」と話す。