いよいよプロ野球開幕まで1か月を切った。長いペナントレースのカギを握るのが、大枚を叩いて獲得した新外国人選手の働きだ。今回初めて日本のチームに加入する外国人にとっては、技術的な面に加えて“適応力”が重要であるとする指摘も少なくない。ベテラン記者がいう。
「チームを優勝に導く助っ人は周囲に溶け込めるキャラクターのことがほとんど。近鉄がリーグ優勝した2001年、タフィ・ローズは変な関西弁を使ってチームメイトと飲み歩いた。1979年に広島の初の日本一に貢献したライトル、横浜を38年ぶりの日本シリーズ制覇に導いたロバート・ローズと、いずれも弱小球団の空気に溶け込もうと努力した選手がチームに良い雰囲気をもたらし、底上げを実現している」
その観点からの“評価”が高いのは、オリックスに加入したアルバース(推定年俸1億350万円)だという。アルバースは、シーズンオフになると、米国にある母校の中学校でフランス語と数学の臨時教師として教壇に立つという“二刀流”をこなす頭脳派でもある。
「教師との二刀流というだけあって、スマホの辞書で日本語を勉強中。キャンプ中も、覚えたての『押忍!』を連発していた」(在阪スポーツ紙記者)
また、ヤクルト・カラシティー(推定年俸7900万円)は、「チームメイトの1年先輩・ブキャナンの連絡先を球団から聞いて、日本の野球を研究している」(スポーツ紙デスク)とのエピソードがある。チームに溶け込み、日本野球に対応する準備を進めているという。