放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、いよいよ最終話を迎えるドラマ『BG』の、あるエリアでの高視聴率の理由を分析。
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1月18日オンエアの第1話=20.6%、以降、第2話=22.9%、第3話=19.6%、第4話=17.9%、第5話=18.7%、第6話=19.2%、第7話=19.1%、第8話=19.9%…。どこから見ても絶好調に推移している視聴率であることがおわかりいただけるだろうが、「今期、そんなドラマがあったっけ?」と不思議に思われる方も多いだろう。
実はこの数字は、メ~テレ(名古屋テレビ放送)での木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』各話の平均視聴率なのである(ビデオリサーチ調べ)。
ちなみに関東地区のテレビ朝日の平均視聴率は第1話=15.7%、第2話=15.1%、第3話=13.4%、第4話=13.6%、第5話=14.0%、第6話=14.8%、第7話=15.8%、第8話=16.4%。つまり、名古屋のメ~テレでの数字は4~7ポイントも高いのだ。
視聴率というと関東地区のそればかりが取り沙汰されるものだが、“現場”は全国の結果を共有しているもので、それが演者に伝わることも多い。
概ねそれは、関東地区より際立って高い数字が地方で出たときに伝えられるもの。そして『BG~』に主演する木村拓哉本人も名古屋の高視聴率情報を把握していることが「第2話=22.9%」のタイミングで実現した木村へのインタビューの際に判明した。
木村主演のドラマといえば、朝ドラや大河ドラマ、月9、紅白などと共に、数字の推移が毎回のように取り沙汰されるもの。「腹割ってお話しちゃうと『(数字の良し悪しを)気にしない』って嘘だと思うんですよ」と木村は正直だ。
名古屋の高視聴率を知った瞬間は、「出演者もスタッフも 気持ちがグッて上がるんです。これが、ものすごい推進力になってるんです」と。さらには「関東にその勢いを伝えてほしいですね」とも言っていた。名古屋の高視聴率のニュースが関東に伝わったからではないと思うが、最終話に向けて関東地区でも2週連続で最高視聴率を更新したことが話題になっている。
放送作家として日々、視聴率の分析は、かなり細かくやっている。その高低には、横並びの番組の強さや当日の天候、曜日の特性や時間帯など多数の条件が関わってくるものだ。特に今期は平昌五輪開催と重なっていたため、“実力”以外の要素に左右される連続ドラマが多かった。