大相撲春場所の初日を2日後に控えた3月9日、貴乃花親方は昨年11月に発覚した関取・貴ノ岩への暴行事件について、日本相撲協会の対応が「重大な疑義を生じさせるもの」だったとして内閣府に告発状を提出した。
あまりに突然の告発は、角界関係者に衝撃を持って受け止められたが、同じタイミングで貴乃花部屋はある「危機」に直面していた。
暴行事件以降、休場を続けていた貴ノ岩が十両で復帰し、部屋頭の貴景勝(前頭3)、新十両の貴公俊(たかよしとし)、十両10枚目・貴源治と、関取は4人になった。
そこで問題として浮上したのが「付け人」だ。
「関取は土俵入りで化粧廻しを締めた後に、すぐに始まる取組のために締め込みに変える作業があるので、付け人が必要。明荷(あけに)や座布団を運んだりするのも付け人の仕事で、十両力士には最低2人、幕内力士なら3人は必要です」(協会関係者)
しかし、貴乃花部屋には4人の関取以外では、所属力士が5人しかいない。八百長防止のため、東西の支度部屋を行き来できないので“兼任”も困難だ。