「日本初の公文書管理法の生みの親である福田さんの怒りはすさまじく、安倍政治が続くことそのものを憂慮している。各派の幹部クラスには福田シンパが多く、福田さんの声は党内に共感を生んでいる」(麻生派ベテラン議員)
安倍首相の支持基盤である細田派、麻生派の真ん中に亀裂が走っているのだ。
◆お友達人事も崩壊
そのうえ、首相を守る“親衛隊”も総崩れだ。政権の看板政策だった「働き方改革」では、首相は厚労省のデータ改竄問題で裁量労働制の今国会提出断念を余儀なくされた。
その「A級戦犯」とされるのが最側近の加藤勝信・厚労相だ。安倍家とは家族ぐるみの付き合いで首相の信頼が厚く、他派閥(額賀派)ながら官房副長官から一億総活躍相、労働政策を所管する厚労相と常に看板政策を任されてきた。
ところが、データ改竄問題では省内を統制できず、「廃棄した」と国会で説明した途端に省内で段ボール32箱分の資料が発見されるなど傷口を広げた。
「総理は加藤大臣を公邸に呼びつけて大変な剣幕で怒鳴りつけた。それだけに、財務省の森友文書書き換え疑惑が表面化すると、加藤さんはザマアミロといわんばかりに冷ややかだ。政権の危機だが、火の粉が別の役所に飛んで助かったと思っているんじゃないか」(官邸スタッフ)
首相を守るどころではないようだ。