いまも若手起業家などから“憧れの存在”として見られることも多いという堀江貴文氏だが、当の本人はそうした人たちに対して意図的に距離を置いている。堀江氏は「別に目指すのは構わないが、イメージだけを追いかけているのは困りものだ」と語る。いったいその真意はどこにあるのか。
堀江氏が最新刊『属さない勇気』で解説している、働き方や生き方の未来についての新たな提言を短期集中連載。第2回は、表層的なライブ体験ではなく、本質を学ぶことの重要性について解説する。
* * *
私は長年、フリーエージェント(組織に雇われない働き方をする人)風の人たちに、教祖のように崇め立てられている。
高級スーツを着た若手起業家を名乗る若者が、「堀江さんの本を全部読んでます!」とか、「堀江さんを目標にしてます!」と、しょっちゅう寄ってくる。もし私の本をきちんと読んでくれているのなら、もっと他のビジネスに目が向くのではないかと思うのだが、彼らは、カネ儲けを最優先の目的にしている傾向が強い。
高層マンションに暮らす、セレブのパーティに呼ばれる、高級シャンパンを浴びるように飲む、ブランド品に囲まれる……など、かつてのヒルズ族が体現した、カネ持ちのライフスタイルを夢見ている。ホリエモンは、そういう生活を実現させた成功者というイメージが、いまだに残っているようだ。
別に目指すのは構わないが、カネ持ちの外見の部分というか、イメージだけを追いかけているのは困りものだ。側の部分に目がくらんで、本質が見えていない若者は多い。