3月18日までスイスのジュネーブで開催されているジュネーブモーターショー。日本メーカーの新型車も数多く展示されているが、現地で取材したモータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が注目したのは、スバルが2019年にフルモデルチェンジを予定している次期「レヴォーグ」と思われるコンセプトカーだ。
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3月6日にスイスのジュネーブモーターショーが開幕しました。スイスは自動車メーカーがありませんから、どこかのメーカーのホームではありません。いわば「欧州全体のモーターショー」という存在です。
そこでスバルは「スバルVIZIV ツアラーコンセプト」を世界初披露しました。ミドルサイズのステーションワゴンのデザイン・スタディです。サイズ感や雰囲気からすると、スバルの人気モデル「レヴォーグ」の次世代を示唆するモデルではないでしょうか。
でも、不思議です。「レヴォーグ」といえば、長らくスバルの看板モデルであった「レガシィ・ツーリングワゴン」の後継モデル。そんな大事な次世代コンセプトが、なぜ日本ではなく欧州で発表されたのでしょうか。その理由を考えてみたいと思います。
まず、スバル全体の現状から振り返ってみましょう。最近のスバルは業績が絶好調です。2016年4月~2017年3月の2017年3月期の全世界販売台数106万5000台を記録。スバルとしては初の100万台を超えることができました。
全世界販売台数、連結売上高は5期連続で過去最高を記録中。そして、その原動力となっているのが北米です。なんと北米での販売台数は8期連続で過去最高を更新中です。そのため年間106万台の販売のうち、北米は72万台を占めるほどに。日本は15万8000台と2番目で、その他の欧州やオーストラリア、中国などの地域がそれぞれ4~5万台となっています。つまり、スバルの主戦場は北米マーケットになっていたのです。
そうした状況のスバルでは、いったいどんな車種が売れているのでしょうか。