医者や弁護士、外資系金融などお金持ち男性との飲み会を繰り広げる港区女子。その生態をリポートし続けている現役港区女子の吉川リサコ氏に、ある美人キャバクラ嬢が電話をかけてきた。彼女は怒っていたという。なぜなのか──。
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ある日、昔からの知り合いで六本木の売れっ子キャバ嬢・アリサが久しぶりに電話してきた。アリサは、藤田ニコルっぽい顔立ちの美人で、多くの太客を抱えている。こう切り出してきた。
「ねぇ、リサコの記事読んだよ。私キャバ嬢じゃん? 港区女子もキャバ嬢も同じようなもんだ、みたいなコメントが書かれていて、ムカつく! キャバ嬢と港区女子は違うから! それ書いてよ!」
大層お怒りの様子であった。怒りの意味がわからない? キャバクラ嬢としては、港区女子と一緒にされては困るというのである。港区女子友達からの「キャバ嬢と一緒にしないでよ!」という抗議ではないので念のため。
キャバ嬢は、仕事である。男性に笑顔を差し出して、お金をもらっている。男好きなわけでも、チヤホヤされたいわけでもない。生活や夢のため。確固たる信念とストイックな状況下で働いているのだ。
キャバクラは、高いチケットを買って入る夢の国と変わらない。ミッキーマウスの中身を誰も知らない。知る必要はない。ディズニーランドに行かないとミッキーマウスには会えない。ミッキーマウスと写真を撮るには行列ができる。彼女たちを連れ出して自分のものにすることはできない。
ナメたお客さんもしばしばいるという。
「本名教えてよ」と迫る客。
「こんな高い金払うなら、店外で会おうよ」とゴネる貧乏客。
「お前らブスだな!」とお金を払うのをいいことに暴言を吐いて楽しむ客。
「急に忙しくなって、同伴できなくなった!」というドタキャン客。
それでもめげずに笑顔を売る。プロである。
お酒の席で、ハイスペを相手に楽しく飲んでいる港区女子を、プロであるキャバ嬢と同じように見られては困るのもわかる。