日本人の死因第2位「心疾患」のうち、多くを占めているのが虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)だ。それらの原因となる「心臓への虚血(動脈硬化などによる心臓への流血不足)」を判定するのが、「MCG解析」。
米国企業の開発したMCG解析を国内で提供する、プレミアハートジャパンの大丸良太ジェネラルマネージャーが説明する。
「測定した心電図をインターネット経由で米国本社に送り、AIによって約4万人の症例と比較します。すると瞬時に動脈硬化などによる心臓への血流不足が起きているかを判断できる」
医師が目視で心電図データの折れ線グラフを読み解く従来のアナログな手法と比べると、血管の70%が詰まっている動脈硬化の発見率は約2倍になる。また、血管の詰まりが40%だと従来法では検知が難しいが、MCGなら把握できる。この“30%の壁”が高齢者にとっては大きいという。
「心筋梗塞は自覚症状が出てからでは手遅れとなることもある。MCG解析で動脈硬化の傾向をいち早く確認できれば、生活習慣の改善で最悪の事態を防ぐことができる。動悸や息切れがあったり、高血圧や糖尿病の人には受診を勧めます」(前出・大丸氏)
高血圧治療薬を服用する77歳の男性が人間ドックのオプションでMCG検査を受けたところ、“要注意”との結果が出た。その後、胸部CT検査を受けると、胸部大動脈と心臓の冠動脈の動脈硬化が進んでおり、心筋梗塞のリスクが高いと診断された。男性はその後、点滴療法と生活習慣の見直しで改善したという。