平昌五輪を機に、文在寅政権は「南北融和」を演出した。しかし、韓国がどんなに友好的態度を取ろうと、金正恩は決して核開発を止めない。長年、北朝鮮について取材してきた落合信彦氏が、かつてインタビューした大韓航空機爆破事件の実行犯・金賢姫の印象的な言葉を紹介する。
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私は北朝鮮の異常さを繰り返し訴えてきた。が、いまだに核ミサイル問題を「話し合い」で解決できるという日本のメディアや政治家がなくならない。北朝鮮の正体が何もわかっていないのだ。
そこで、これまで私がインタビューしてきた脱北者たちの証言を元に改めて警告しておこう。
昨年11月20日、トランプ政権は北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。そのこと自体は評価できるが、そもそも、2008年に指定を解除したブッシュ(ジュニア)政権に問題があると言える。当時、指定を外す見返りに北朝鮮が核開発を停止してくれるのではという期待がアメリカ側にあった。ナイーブとしか言いようがない。筆者は、レーガン政権が1988年に北朝鮮をテロ支援国家に指定する契機となった大韓航空機爆破事件(1987年)の実行犯・金賢姫にインタビューしたことがある。1993年のことだ。その時、彼女は北朝鮮が話し合いのできる相手ではないことを断言していた。