3月25日で、45年間の歴史に幕を下ろす子供番組『ポンキッキーズ』(BSフジ)。長年、番組を見てきたコラムニストのペリー荻野さんが、番組がこれまで模索してきたことを振り返りながら、最終回に向けて緊急提言――。
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3月終了が発表されて以来、「なぜ終わるのか」と惜しむ声が噴出している『ポンキッキーズ』。17日には最終回企画その1が放送された。
司会は「しょうしょう」こと春風亭昇々とシンガーソングライターのさくら。「楽しかった」「さみしいな」というオープニングトークの後ろでしょんぼりしているのは、番組キャラのPちゃん。Pちゃん、泣いてるよ…。番組は昨年からMCとなったしょうしょうとさくらのふたりが関わったコーナーを中心に振り返る形で進行する。
しょうしょうは、落語家らしく熱い蕎麦をすする仕草を見せたり、さくらはギターを抱えて番組のテーマでもある『All You Need Is Love』を歌ったり。それぞれ得意技を披露。ここで改めて気づいたのは、さくらの声が低いこと。子供番組のMCは、ハイテンションで甲高い声のイメージだが、「明るい歌のおねえさん」にしないところもこの番組らしさだ。
もともと「元気、勇気、ポンキッキ」をキャッチフレーズとするこの番組の隠しテーマは「子供番組の中で大人がいかに面白いことをするか」だった。だからこそ、爆笑問題はねずみの着ぐるみを着て歌ったし、キンキラの宇宙人みたいなコスチュームの鈴木蘭々と安室奈美恵が混雑する電車内や銭湯の男湯(湯船には客もいる)の中で『歩いて帰ろう』を踊ったりできた。