ビジネスの現場でいちばん厄介なのは、「自分は周りが見えていないと自覚していないヤツ」と語るのは堀江貴文氏だ。「人に頼らず自分で何とかしよう」と意味なく頑張り続け、結果をより悪い方へと導いていく……。なぜそうなってしまうのだろうか。
堀江氏が最新刊『属さない勇気』で解説している、働き方や生き方の未来についての新たな提言を短期集中連載。第5回は、上司と部下、社長と社員の間の人間関係について解説する。
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本人は向上心で頑張っているつもりでも、「褒められたい」などの雑念があると、周りが見えなくなり、高い確率で他人に迷惑をかけることがある。
例えば、大きな予算をかけたプロジェクトを立ち上げた時、現場の仕切りを、モチベーションの高い若い社員に任せることがあるだろう。若手社員は張りきってプロジェクトを進めるが、経験が少ないから、しばしば行き詰まる。
少し経験がある人ならピンとくるだろうが、大きなプロジェクトの仕切りは、数字の計算とか専門知識などの実務力は、それほど問われない。長年の経験で得られる、「どこの誰に話を通すか」「いくらで何を外に任せるか」など、全体を俯瞰でとらえた段取りの勘のようなものの方が重要だ。
すなわち、周りが見えているかどうか。若いうちから、この俯瞰力を持っているヤツは、なかなか少ない。能力が低いのはしょうがないが、落ち着いて周りを見ることができれば、だいたいのトラブルは回避できるのだ。