3月22日、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)が終了した。1988年10月から続いたフジの木曜21時台の“とんねるず枠”は29年半で幕を下ろすことになった。とんねるずのレギュラー開始前、木曜21時といえば『ザ・ベストテン』(TBS系)が10年以上も同時間帯視聴率1位を保持していた。視聴率研究家のシエ藤氏が話す。
「『ザ・ベストテン』は毎回のように30%を叩き出していた1980年代前半ほどの勢いはなかったものの、1988年当時まだ20%前後を獲る高視聴率番組でした。アイドル四天王と呼ばれた中山美穂、浅香唯、南野陽子、工藤静香の誰かが毎週のようにランクインしていましたし、光GENJIが爆発的な人気を誇っており、歌謡界がまだまだ元気のあった時代。勢いのあるとんねるずとはいえ、『ザ・ベストテン』の牙城は高いと思われていました」
だが、1988年10月13日、『とんねるずのみなさんのおかげです』は初回14.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)をマーク。12.1%の『ザ・ベストテン』に勝利を収める。『みなさん』は4回目の放送で初の20%越えを達成。『ベストテン』は視聴者を奪われる形となり、1ケタを記録するようになる。『みなさん』は1989年3月30日に歴代最高となる29.5%を叩き出した。
「この日、『ベストテン』の放送がなかったことも30%近い数字が出た1つの要因でしょう。ただ、『ベストテン』が正月の三が日以外で休むことは番組1年目の1978年以来。放送すれば確実に視聴率が取れるから、改編期でも休止なんて有り得なかった。逆に言えば、この時点で『みなさん』は『ベストテン』に引導を渡していたとも言えます」
『みなさん』の開始からわずか1年後、『ザ・ベストテン』は1989年9月に11年8か月の歴史に幕を下ろすことになる。