投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の3月19日~3月23日の動きを振り返りつつ、3月26日~3月30日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。週末は大幅下落で20000円の大台を意識する神経質な相場展開となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は21日、政策金利を0.25%引き上げ、1.5%から1.75%とする今年1回目の利上げを決定した。懸念された利上げペース加速の可能性についても年内の回数は、前回と同じ「3回」が委員の中心予想となった。
ひと先ずの安心感が広がったのも束の間、貿易戦争の拡大懸念が、新たな相場の火種となった。米トランプ大統領が大統領令により、ライトハイザー米通商代表部(USTA)代表に500億ドル規模の中国製品への関税賦課を指示し、USTAは関税引き上げ対象リストを15日以内にまとめる事になった。これを受けて中国商務省は米国からの鉄鋼や豚肉、果物、ワインなどの輸入品30億ドル相当に相互関税を課す計画を発表した。これを受けて、22日の米国株式市場は、米中貿易摩擦の激化懸念からNYダウが724.42ドル(2.9%)安と急落した。外国為替市場ではリスク回避的な円買いに振れ1年4か月ぶりに1ドル=104円台への大幅な円高を見た。
リスク回避の株安は東京株式市場にも波及し、日経平均は23日に終値ベースで2月6日の前日比1071.84円安に次ぐ今年2番目の下げ幅となる974.13円安(4.51%安、一時1032.38円安)を見て、3月5日の年初来安値を大きく割り込んできた。リスクオフの流れのなか円買いに振れやすい地合いが継続しやすい一方、急激な円高は、輸出採算悪化を連想させる外需関連セクターに対する来期収益見通しに対する懸念を高めて、売りが先行する展開が懸念される。テクニカル的にも、日経平均の13週移動平均線が26週移動平均線を下回るデッドクロスも意識されて、日経平均20000円ラインも視界に入り、センチメント的に押し目買い意欲が後退しやすい。仮に、日経平均20000円割れとなれば、ザラ場・終値ベースともに昨年9月15日以来。