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【ドル円週間見通し】米保護主義傾倒への警戒でドル売り継続

トランプ政権は保護主義的な通商政策への傾倒を強めている

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月26日~3月30日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は弱含みか。米連邦準備理事会(FRB)は3月20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で予想通り0.25ポイントの追加利上げを決定した。ただ、今年の利上げ回数は3回で従来と変わりなく、4回に加速するとの期待はやや後退しており、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小しつつある。

 また、トランプ米大統領は22日、中国が米国の知的財産権を侵害していると認定し、中国製品に25%の追加関税を課すことを柱とする制裁措置を指示する大統領令に署名した。トランプ米政権は保護主義的な通商政策への傾倒を強めることになるが、この動きはドル売り材料になるとの見方が多い。

 一方、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和策の早期縮小への期待は残されている。ECBのスタッフ予測で2019年のインフレ見通しは引き下げられたが、米国の保護主義的な通商政策に対する警戒感は高まっており、米利上げ後もユーロ・ドルは下げ渋っている。ユーロ買い・米ドル売りが再び活発になった場合、ドル・円の取引にも影響を与える可能性がある。

 国内では27日に行われることが決まった佐川前国税庁長官の国会での証人喚問は無視できないイベントになりそうだ。財務省決済文書の改ざん問題を巡って国内政治情勢は不透明感を増しており、政権支持率低下の一因となっている。佐川氏の証人喚問を通じて政治不安がすみやかに払拭されない場合、株安・円高の流れは続く可能性がある。

 米国の輸入制限の除外対象国から日本が漏れた影響もあり、日本株安を背景にドル売り・円買い基調は強まる場面もあるだろう。ドル・円は心理的節目でサポート・ラインとみられていた105円を割り込んでおり、ドルの下値水準を模索する状態がしばらく続く可能性がある。

【米・3月CB消費者信頼感指数】(27日発表予定)
 27日発表の米3月消費者信頼感指数は131.0で2月の130.8をやや上回る可能性がある。予想通りなら米国経済の拡大基調が示されることになり、株高やドル買いにつながる材料となりそうだ。

【米・10-12月期国内総生産(GDP)確報値】(28日発表予定)
 28日発表の10-12月期国内総生産(GDP)確定値は、改定値の前期比年率+2.5%から同比+2.6%へ上方修正される可能性がある。企業の設備投資や個人消費の動向がポイントになりそうだ。

・3月26日-30日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

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