いざ、ネットで「食べ放題」と検索してみると、寿司や焼肉、スイーツ、各国料理まで実にさまざまなジャンルの店舗が表示される。それだけお得感や満足感、コスパに対する注目度の高さがうかがえるが、裏を返せば、あまりにも食べ放題という単語が一般化しすぎて、インパクトが薄れているように思う。もちろん、消費者ニーズも多様化している。
肝心なのは、食べ放題だけでなく、消費者に訪れたいと思わせる魅力をいかに数多くアピールできるか。それがなければ消費者の足は向かない時代といえる。実際ネットにおいては口コミなどで訪れる消費者が年々増えている。
食べ放題という単語の持つ魔法や魅力が変化しているのであれば、その商品が本来持つ価値が高いかどうかが消費者に選ばれる可能性を高めるカギとなるはずだ。
例えば、焼肉や寿司の食べ放題は、肉の種類や寿司ネタの種類、そして品質が選ばれる価値を創りだす。昨今ではスマホ画像などの「映える」ための素材やテーマも重要だ。口コミならぬ、SNSコミュニケーションが店舗の価値や評判を左右することも少なくない。
質の高い食事とは、決して金額が高い食事という意味ではない。大切な誰かと一緒に行きたい店かどうか、居心地のよい店かどうか、など店の環境も食事の付加価値を高める重要な要素と考える層は多い。店を訪れるワクワク感やドキドキ感も消費を支える大きな動機付けのひとつである。
さて、「ハレの日のごちそう」ではなく普段使いの店を目指して食べ放題に打って出るケンタッキーフライドチキン。果たして、ブランドイメージを損ねることなく消費者の食指を動かすことができるか、注目したい。