ブランド米の乱立でお米選びが悩ましいなか、多くの消費者が参考にしているのがランク付けだ。近年激変しているこのランク、果たしてどれくらい信用していいものだろうか。
魚沼産コシヒカリが28年間連続獲得していた“最高の米”の座から陥落した──。日本穀物検定協会が2月28日に発表した2017年産米の食味ランキングで、最高評価「特A」から一段階下の「A」になったのである。この“大事件”は販売業者に衝撃を与えている。
「全国的な天候不良に見舞われた1997年にも、魚沼産は特Aをキープしていた。食べ比べても例年とほとんど変わらない味で、落ちた原因がはっきりしない。生産者はショックだろうし、『特A』を看板にしてきた生産者直送の米は売り上げが落ちてしまうかもしれない」(都内の米販売店店主)
2017年度のランキング対象は151産地品種で、うち「特A」を獲得したのは43産地品種。品種別では依然としてコシヒカリが12と圧倒的に強いが、北海道の「ゆめぴりか」、青森の「青天の霹靂」などのほか、栃木の「とちぎの星」、熊本の「森のくまさん」など、新興ブランドが次々と「特A」の仲間入りを果たした。
◆味は落ちていない
ランキングはブランドイメージに直結するため、生産者にとってランクダウンは深刻な問題だ。南魚沼市では3月14日、県や魚沼地域の市町、農協職員、生産者らが集まって「魚沼米食味対策検討会議」を発足させた。事務局を務める新潟県農業振興部の担当者が言う。