「いいだろう、会おうじゃないか」──ホワイトハウスを訪れた韓国の大統領府国家保安室長から北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の“直接対話”を望む意向を聞いたトランプ米大統領は、そう即答した。
史上初の米朝首脳会談が5月末までに実現しようとしている。ついこの間まで米朝は、かつてない緊張関係にあるはずだった。
昨年9月、国連総会の演説でトランプ氏が「“ロケットマン”は自滅の道を突き進んでいる」と警告すると、正恩氏は「狂った老いぼれ」(同30日・朝鮮中央通信)と反撃。トランプ氏は「彼のことを一度も『ちびでデブ』と呼んでないのに」とツイッターで発信するなど、“外交マナー”の欠片もない言葉で罵り合いを続けてきた。
1月には、正恩氏が年頭の辞で「核のボタンが私の机の上に常にある」と威嚇すると、トランプ氏は「私の核のボタンの方がはるかに大きく、強力だ」と対抗していた。そんな2人が急転、電撃会談を行なうと、意外な展開があり得るのだという。
◆「親近感を抱くはず」
「直接会って話をすると、互いに一脈通じるところがあると、親近感を抱くかもしれません」
そう話すのは『父・金正日と私 金正男独占告白』などの著書がある東京新聞論説委員でジャーナリストの五味洋治氏だ。