メジャーにおける本格的な二刀流は、大谷翔平(23)の登場により、ベーブ・ルース以来のことになる。しかし、ルースもレッドソックスからヤンキースにトレードされた1920年を境に打者に専念。その後、投手としての出場は5試合にとどまった。
アメリカのデータ会社が「投手、野手でそれぞれ通算160試合出場」を二刀流の基準として調べてみたところ、メジャーリーグの歴史でこれを満たしたのは21人しかいない。そのほとんどが19世紀の選手で、20世紀に入ってからは4人しかいない。1960年以降、5試合ずつに基準を大幅に下げても8人を数えるのみだ。大谷の挑戦が大注目を浴びるのは当然のことかもしれない。
その『現代のルース』を加えたエンゼルスは、ア・リーグ西地区の優勝争いを興味深いものにするだろう。同地区にはワールドシリーズ覇者のアストロズが立ちはだかる。今季も戦力充実、連覇を狙えるチームだ。昨季21ゲーム差をつけられて2位に甘んじたエンゼルスも、ポストシーズン進出の可能性は十分にある。
◆「2度目の頂点」へ
まず、大谷の加入でリーグ防御率6位の先発投手陣が大きく改善されるはずだ。今季から始まる6人ローテーションも、右上腕二頭筋を痛めて昨シーズンを棒に振ったエース候補のギャレット・リチャーズ(29)を始め、故障明けが多い先発陣を助けることになるだろう。
攻撃面でも、左打者・大谷の存在がカギになる。